「muihaus.プロジェクト」by ジブンハウス×mui Lab
mui Labとジブンハウスが手がける「muihaus.プロジェクト」では「余白のある暮らし」の実現を目指した家づくりを行っていきます。今後ケーススタディを企画して皆さんにお届けします。「muihaus.#1」は伊藤維建築設計事務所とコラボレーションし「時を超えて家族の絆を深める家」が完成しました。
「muihaus.#1」を作るにあたり、設計において大事にしたことがあります。それは「muihaus.」が街に対してどのように在りたいかということです。街と家の繋ぎ目をできるだけなくし、連続するものとして佇んでいる状態を作りたいという思いを家の設計に落とし込んだのが伊藤維建築設計事務所の伊藤維さんです。今回、伊藤維建築設計事務所の伊藤維さんに「muihaus.#1」への思いをお伺いしました。
今回「muihaus.#1」の設計を行った伊藤維さんは「Under 35 Architects exhibition 2019」にも選ばれた若き建築家。東京で修行した後にアメリカに留学。また、スイスの大学で建築の教育を行うなど多様な経歴を経て、現在は岐阜県岐阜市を拠点に活動。
私とmui Lab代表の大木さんはボストンで出会い、mui Labが目指す世界に共感し、その後空間づくりや建築の分野において何度か協業してきました。
今回「muihaus.#1」を作るにあたり、「家が街に対してどう在るべきか」を重要視し、設計を進めました。「muiが空間の中に佇んでいるように、家が街の中に佇んでいてほしい」という思いがありました。
muiが空間に佇む、というのは、空間の中になじんで、muiがそこにあることが意識されない時すらある。しかしなんとなくmuiがそこにあることで少し凛とした、心地良い空気感ができている、というような状態だと考えています。muiそのものが心地良いだけでなく、muiがあることでまわりの空間も再定義され、より心地良く感じられる空間になっているということです。これはまさに私が建築、特に住宅をつくるときに大切だと思ってやってきたことでもあります。
「mui」を「住宅」に、「空間」を「街」に置き換えると、「街のなかになじんで、その住宅がその場所にあることが意識されない時すらある、でもなんだかその住宅がその場所にあることで、少し凛とした、心地良い空気感ができている」「住宅そのものが心地良いだけでなく、その住宅があることで、まわりの街も再定義され、より心地良く感じられる」ということを「muihaus.#1」で体現したいと思いました。
住宅の中で過ごす心地よさや楽しさと、家の外に広がる街で暮らす心地よさや楽しさは、連続していてほしい、という思いがあります。
住宅の内部の経験が、なにかそれぞれの街の魅力を再発見するようなものであり、日々暮らすごとに、どんどん街や周辺環境の魅力に気づいて、住むほどにその街が好きになって街のことを自分ごととして考えるようになる、というのもとても大事だと思っています。そういった人が少しでも増えることは、街全体としても、より素敵な街になっていく端緒になるかなと思っています。
「住むほどにその家だけでなく、街が好きになる家づくり」、「余白のある暮らし」を実現するためにこだわったのが「窓」や「方向性を持たない外観」です。
家を設計する時に、水回りに面する外観はどうしても窓が小さくなってしまったり、磨りガラスになってしまったりと家の裏側のような印象を与えてしまいます。これを防ぐために水回りを1階の内側に集約し、外側に廊下を設けることで四方向全てに大きな窓をつくることができました。四方面全てに大きな窓を配置することで、街に対して背を向けている面がなくなり、より街と家が連続している状態が作れます。
四方向の立面全てに大きな窓があることで、外の世界との豊かな繋がりを生みます。光の取り込み方、時間の移ろい方、天気や温度の変化を体で感じることができ、外の暮らしや周辺環境との心地よい関係が生まれるような設計が施されています。
ー伊藤維さんの設計により、余白のある暮らしが建築全体で体現されました。ー
1Fは仕切りすぎない間取りで家族を近くに感じられます。リビングダイニングはお父さんやお母さんが料理をしている横で子供が宿題ができるような作りになっています。また、2Fへ繋がる階段は家族が行きかう家の中心に配置しています。階段に座って本を読むこともできますし、リビングにいる家族とコミュニケーションも取れます。リビングはダイニングと仕切りのない空間になっていますが、ソファーとテーブルをシーンによって組み替えることで客間としての役割も果たします。今回「muihaus.#1」の中で使用している家具はAriakeのものです。
Ariakeは、家具の町である佐賀県諸富町のレグナテックと平田椅子製作所、二社が立ち上げた家具ブランドです。ブランド名は九州にある有明海にちなんで名づけられました。日本文化のスピリチュアリティーと都市の生活背景にインスパイアされ、最高の技と最高の機械によって製作された家具たちです。Ariakeが『夜明け』を意味しており、海外のデザイナーたちとのコラボレーションによりグローバル市場で展開しております。
今回「muihaus.#1」をVR上で再現するにあたり、家具はAriakeのものを使用しました。Ariakeの家具は上質でありながら、空間の中で主張しすぎない上品さがあります。また、木から生まれ木であることを意識させる魅力があり、光の入り方によって、木目が表面に現れ、優しく生活に溶け込むデザインがmuiと共通するものがあり、「muihaus.#1」との相性がぴったりでした。
muihaus.プロジェクトでは、これからも「余白のある暮らし」「自分らしい暮らし」の実現を目指して、人々の暮らしや生き方に関するアイデアを様々なプロダクトやサービスを通じてご提案していきます。
伊藤維建築設計事務所について
https://www.tamotsuito.com/about
Ariakeについて
https://www.ariakecollection.com/products/