キッチンの横や、ベッドのヘッドボードの上。家族が集まるリビングの壁。実は、ジブンハウスのVRの中で色々なところにかけられている木製の板「mui」の存在、お気付きですか?一見、一枚板のオブジェのように見えるボード。実は、ネットワークに繋がったIoT機器なのです。
見た目同様、機能にもナチュラルさや優しさを込めて。柔らかい光の点がアイコンとなって天気予報を伝えてくれたり、その日の家族の大切な予定を表示したり。スマホのアプリと連動して、家族に手書きメッセージやボイスメッセージを送ることもできます。触れたときの感覚や、通知を知らせる音の心地良さにもこだわっています。
人の手が加わっていない、限りなく自然に近いありのままの状態のこと。無為自然とは、老子が説いた人間の生き方です。muiは使っていないときは光が消え、ただ壁に一枚板が掛けられているかのように存在感を消します。暮らしの空間に調和する佇まい。muiの周りでは、ゆっくりと時間が流れます。
メディア掲載やアワードを受賞している京都のテック系デザインスタートアップ『mui Lab』は、“無為自然”を現代の生活にも通じる思想として大切にしています。人の暮らしを豊かにするはずのデバイスに、人が支配されてしまっている。溢れる情報や通知によって、本来集中すべきことを見失っている。そんな現状に答えを出すように、プロダクト設計からデザイン、開発を行っています。
muiの機能でとても気に入っているものがあります。それは、「モーメントタイマー」機能。指でボードに一筆書きをして時刻を設定。スタートを押すと、末端から光のドットが一つ一つ消えていく。数字による時刻表示ではなく、線が消えゆくことで時間の移ろいを感じられます。
ふと思い出したのは、幼いころ、寒い日に結露した窓に指で描いた文字や絵。どうせすぐ消えてしまうし、水が垂れてぐちゃぐちゃになってしまうのだけれど、綺麗に描けたら誇らしく、姉妹でよく競っていました。なんでもない日常を思い出し、懐かしく切ない気持ちをくれる。そして、一瞬一瞬が紡がれていく時の流れに想いを馳せる。そんな体験は、単に便利で機能的である以上の価値を与えてくれるのではないでしょうか。
テクノロジーの力で、ジブンらしい家づくりを提供したい。そんなジブンハウスの願いと、暮らしの中に溶け込むテクノロジーの在り方を提案するmui Lab。ふたつの想いが重なり合うところで、コラボレーションが実現しました。ジブンハウスオーナー様には「mui」を特別に提供し、住み始めたあとも『家族がもっと、家族になれる家づくり。』を応援します。目まぐるしく変化する毎日にそっと寄り添い、穏やかな世界へ誘う。優しさのデバイスでジブンらしい暮らしを実現してください。
(Writer:JIBUN HAUS. Ayaka Onodera)