九州で住宅の「買い方革命」進行中 福岡県 田角様邸

北九州市の共働き夫婦、打ち合せ2回でマイホームを建てる

オーナーズフォト 島根県 N邸
 九州地方で今、戸建て住宅の買い方に革命が起きている。これまで、いちから理想の家を建てようとする多くの家族は、設計の見直しや見積など、数十回におよぶ工務店との打ち合わせに時間を割かなければならなかった。だが、北九州市のある夫婦は、初めて工務店を訪れてからわずか1ヶ月、たった2回の打ち合わせをしただけで理想の戸建て住宅を建てることに成功した。
 共働き世帯が増え、従来の住宅購入の常識に満足しない家族も多い昨今。九州の工務店の間では全国に先駆けて、売り手と買い手双方の負担を減らしながら活路を見出そうとする動きが広がっている。九州で起きている現象は、遠くない将来、全国のスタンダードになるはずだ。
オーナーズフォト 島根県 N邸
忙しい共働き・子育て世帯 マイホームの購入は一大事
 北九州市内の閑静な住宅地に、ひときわ目を引くモダンな平屋建ての家がある。直線的でシンプルなデザインに、大きな窓がアクセントを加える。2019年6月、田角一樹さん(39)、麻希子さん(43)ご夫妻が建てたマイホームだ。
 「近所の小学生がね、『カッコいいお家だね』って言うから、『せやろー?』って」。麻希子さんは少し得意げにおどける。
 田角さん夫妻は2017年から戸建て住宅の購入を検討し始めた。息子さんが幼稚園に上る前に、という思いだった。土地はすぐに決まったが、住宅の方はなかなかなかなか決めることができなかったという。
 「何軒かハウスメーカーをまわって、展示場も行きましたが、モデルハウスの建物は素敵な分高いんですね。それに、一度行くといろいろ送られてきたりして、抵抗もありました」と一樹さん。
 2人は福祉関係の仕事に就いていて、子育てもあり多忙な中での家探しだった。展示場をいくつもまわって検討する時間はなかなか取れず、予算や土地の条件と折り合いのつく家を見つけられずにいた。中古物件をリフォームする選択肢もあったが、それで本当に理想の家はできるのだろうか。田角さんの心は揺れていた。
 「そんな時、たまたまスマホで検索して見つけたのが、ジブンハウスでした」
オーナーズフォト 島根県 N邸
家の中も見積もスマホで明快に
 規格住宅を販売するジブンハウスのホームページでは、モデルハウスをバーチャル・リアリティ(VR)で内覧することができる。建物の中を移動し、視点を変えながら内覧できるので、手元のスマホで建物の細かな部分まで確かめることが可能だ。
「VR、すごいね!」
 2人はすぐにVRの内覧に夢中になったという。「図面から家をイメージするのって、難しいんです。頭の中整理できないし、考え方を合わせるのが大変だし、喧嘩になりますよ。でも、VRなら指先ひとつで家の中を見て回れるし、お互い見ながら話し合えるのは良かったです」と一樹さんは振り返る。
 2人は多忙な日々を送りながらも、寝る前などの時間を見つけて内覧を繰り返した。「もう、VRのどこに何があるか暗記するまで見尽くしました。夢にも出てきたくらいです」と麻希子さんは笑う。
 ジブンハウスのホームページでは、プランとオプションの組み合わせでいくらかかるのか、見積を出す機能もある。このことも家探しを楽なものにしたという。
 「他のところだと、何ていうか、価格は『ざっくり』としか分からなくて。ここだと明快で分かりやすかったです」と麻希子さん。選択肢として考えていた中古物件のリフォームとさほど変わらない価格で理想の新築が建つことがわかり、田角夫妻は近くにあったジブンハウス北九州西に相談に向かった。
「かなり革新的」建築のプロは驚いた
 「最初に来られて、1ヶ月くらいで決まったんじゃないかな」。田角さんご夫妻を担当したジブンハウス北九州西(合同会社中村)の中村光さんは、驚きをもって振り返る。
 田角さんとの打ち合わせは実にスムーズだった。商品をあらためて説明する必要はなく、ホームページ上では決められない、土地との調整や細かなオプションの追加などを話し合った。一樹さんが「もう7割くらいは決めてから相談できましたので、話すことは決まっていました。土地と合うかとかの調整は専門家にお願いするしか無いですが、中村さんのところはその対応も早かったです」と語るように、話し合いは円滑に進んだ。
 そして、田角さんの満足の行くプランが仕上がり、晴れて成約となった。初めて相談に訪れてからの打ち合わせ回数は、たったの2回だった。
 建築業界で長年経験を積んできた中村さんは、新築の住宅を建てるまでのプロセスの煩雑さを知り尽くしている。「1年以上、数十回の打ち合わせなんて普通ですよ。そうしているうちに、工務店も疲れるし、夫婦喧嘩になるのもよく見てきましたから」。だからこそ、田角さんとの家の建て方は「業界的に、かなり革新的」と感じた。
オーナーズフォト 島根県 N邸
九州の革命は全国の「スタンダード」に
 九州地方で起きている革命は、全国最先端の動きでもある。ジブンハウスは創業から約3年で加盟店数が100店舗を超え、累計販売棟数も300棟を達成したが、地方別で最も加盟店数が多いのは九州地方で、22店舗に上る。
 九州の少なくない工務店は、たびかさなる打ち合わせ、不明瞭な価格、モデルハウス来場者への集中的な営業活動など、従来の住宅業界の常識に疑問を感じる消費者の心理を敏感に感じ取っている。需要が減り競争が激しくなる中、従来どおりのやり方では心を動かすことができない世代をターゲットに活路を見出すとともに、自らも非効率と感じてきた販売手法を変えようと動き出したのだ。
 一方、田角さんには「特別なことをした」という実感は無い。2人はITに精通しているわけでもなく、スマホの使い方も「普通」。VRでの内覧も全く違和感はなく、ふだん愛用しているネット通販と同じような感覚で楽しんだ。
 「ネットでほとんど決めてから、必要なところだけプロに相談して建てる。これからは、こういう家の買い方がスタンダードになるんじゃないですかね」。
 2人の言葉には、スマホを使いこなし、消費の傾向が上の世代と大きく異なると言われている20〜30代、「ミレニアル世代」の素直な実感が込められている。
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